九州ソフタスは、本制度を通じて大幅な売上増と雇用増を達成しました。こうした結果が得られた大きな要因の一つが、専門家による「経営指導」でした。まず取り組んだのは、「付加価値額10億円を達成するための自社サービスの見直し」。それまで同社では、自社開発アプリケーションの販売強化を目標に掲げていましたが、経営指導を契機に、IoTやAIといった先端IT技術のサービス分野にチャンレンジすることに。新たなサービスをゼロから作り上げるよりも、既存サービスの拡張の方が立ち上がりも早く、コストも抑えられます。その成果の一つが、在宅医療介護連携システム「aHMS(アームス)」を基盤としたサービスです。
併せて、同社では管理職の目標達成意欲改善にも取り組んでいます。各部の目標設定と進捗管理を明確にし、数値だけでなく達成期限も含めた目標を設定。細部も明確に「見える化」したことで、管理職の数字に対する責任感と、目標管理能力が格段に向上しました。今後は、2019年にスタートした人事評価制度を基盤に、一般社員の意識向上にも繋げていく考えです。
「九州オルガン針株式会社」が経営改善のために受けた「経営指導」では、販路拡大の戦略を立てる上で大事な「自社の強み」を追求します。これまで自社では当たり前だと思っていたことが、周囲からは「唯一無二の技術」ということも。同社では、100年に及ぶ実績に基づき、針の特性を活かした設備を自社開発し、使用していました。これは、3カ月間にわたり支援チームとのディスカッションを続けたからこそ気付けた強み。これを機に、それまで製品の展示会を中心に参加していた販路拡大の戦術を、加工技術のマッチング会にシフトチェンジ。取引先数を大きく伸ばしました。
高い技術力がありながら、場当たり的に販路拡大をしていた精密部品部門。以前は、漠然と「医療業界に販路を広げたい」と考えていた同社ですが、支援チームとのディスカッションを経て、「具体的な数値を掲げて土台を固める」「特許を取る」などの方針に基づき事業計画を立てました。その後は、常に計画を見直しながら進めているため、会社として明確な目標に向かうことができるようになりました。