1951年、四肢に障がいを持った方々の機能回復・補助に義肢装具の必要性を強く感じた創業者が、熊本市に「徳田義肢製作所」を設立。その後、専門的な知識や技術を必要とする「義肢装具士」の仕事が社会的にも認知され国家資格となったことで同社の事業運営も安定し、1989年には本社工場を熊本市大江に移転しました。創業70年を迎えた現在では、県内120以上の医療機関や福祉施設に義肢装具を提供すると共に、足部の障がいに合わせて資格を持ったシューフィッターが靴を製作する「靴工房 SKIP」も併設。福祉用具、介護用品の販売も行っています。
先天性の病気や事故による四肢の切断、骨折、靭帯損傷などの治療やリハビリ目的で装着する「義肢装具」。同社は、国家資格を持った義肢装具士が、医師や患者と共に製作するオーダーメード品で高い実績を持ち、日本で初めて組立調節式で即席で身体寸法に合わせられる「モジュール式長下肢装具」を商品化しました。1995年から販売されている同製品は、全国の同業他社や病院で使用されるヒット商品となり、2022年には改良を重ねた最新版を市場投入。コロナ禍の影響を最小限に抑え、会社の業績に大きく貢献しました。
さらに、熊本機能病院や不二ライトメタル(株)、天草池田電気(株)など、医療・企業との“医工連携”にも注力し、既存装具の電子制御化技術の開発にも挑戦しています。これから実証実験に入る予定であり、有用性や安全性が確認できれば2023年中に製品化の予定です。他にも、3Dスキャナーや3DCAD/CAMといった先端技術も積極的に活用し、義肢装具士の技術・知識向上にも取り組んでいます。
社会のニーズに応えながら柔軟に事業を進化させ、実績と信頼を積み上げてきた同社。身体を補助し社会生活を支援する義肢装具は、医療技術が進展しても変わらず必要とされるものです。高い技能を持つ義肢装具士の力を結集させ、事業環境の変化にもチャレンジ精神を持って向き合うことで多くの人の助けとなる製品を生み出し、社会に求められる企業として歩み続けます。