阿蘇山の南に位置する南阿蘇村に拠点を構え、名水百選の白川水源をはじめとする湧水や大麦、ホップなどの地域資源を活用したクラフトビール、クラフトサワーの企画・販売を行う「みなみ阿蘇ビール株式会社」。循環型農業や農福連携にも取り組み、自社利益の追求だけでなく、地域が抱える課題の解決を通じた地域経済の活性化を目標に活動しています。
阿蘇の豊富な湧水を贅沢に使っているのはもちろん、米や大麦といった原料も阿蘇産を使用することで商品の付加価値やブランド力の向上に努めています。また、少子高齢化による労働力不足は今後の国内企業にとって不可避の課題となるため、同社では、より少ない労働力で最大限の付加価値を生み出す「労働生産性の最大化」を目指した事業体制を構築しています。まず、九州内の他メーカーとの連携体制を構築し、商品製造を委託(OEM)することで商品供給量の安定化を実現。こうした取り組みを通じて、製造にかかる人件費や建物・設備の維持管理費、減価償却費の削減にも成功しています。加えて、EC部門を他社に委託することで、営業部門に人的資源を集中でき、結果として非常に高い労働生産性を上げています。
さまざまな取り組みによって生み出した「みなみ阿蘇ビール」の付加価値は、最終的に阿蘇地域の農業所得の向上や水資源の環境整備、障がい者支援などの地域の社会福祉に還元していきたいと考えています。