おろしニンニク、おろしショウガに特化した商品の開発・製造を手がける「株式会社 九州ファーム」。代表取締役社長を務める太田貴士さんが、農業の将来性を感じて2006年に創業しました。当時は輸入野菜に残留した農薬などの問題が世間を騒がせていたこともあり、生産から流通、消費まで追跡が可能な、野菜の「トレーサビリティ」に着目。当初は、ゴボウやニンジン、ホウレンソウの栽培や圃場管理を行っていましたが、気象条件に大きく左右される経営状況に危機感を抱き、ニンニクとショウガに特化した製造へとシフトしました。
同社では、生産から消費までのすべての段階で、安心・安全な商品を提供することを第一に考え、衛生管理手法である「HACCP(ハサップ)」システムを導入し、認証を受けました。山鹿市の自社工場にて、専門スタッフによる全量目視選別を行うほか、検査室を設置して製造された商品の各種検査を実施し、品質安定性の確保・向上に努めています。また、定期的に事務職員も含めた全従業員対象の衛生教育や作業教育を行い、全工程における衛生管理の徹底と社員のレベルアップを図っています。
ニンニク製品は刺激や匂いが強烈なため、他の商品と同じ場所で製造できないという特性を逆手に取り、自社製品だけでなく大手食品メーカーのOEMも引き受け、年を追うごとに依頼も増加している同社。さらに、地元農家と一緒に県産ニンニクの栽培、加工にも取り組んでおり、県産品の価値を高めつつ、確実な原料確保、品質レベルの安定、地域や従業員との信頼関係強化に努めています。同社が目指すのは、安全で安心な商品作りはもちろん、効率的な経営によるコストパーフォーマンスの追求、従業員がやりがいを持ち互いを信頼し合える関係を築くこと。喜びや幸せを感じながら働ける環境が、会社の成長にもつながると確信しています。