全国で水質汚染問題が深刻化した1970年。原因の一つに挙げられたのが、家庭からの生活排水です。その状況を危惧した先代社長が、廃食油をリサイクルした石けんを作り環境への負荷を減らそうと、1975年に粉石けんの製造会社を創業。その後、1986年に化粧品製造工場を建設したことを機に、「株式会社地の塩社」を設立しました。
設立当初から、「自然との調和・環境を意識した商品づくり」を製品開発の基本とし、無機系洗浄剤や自然派化粧品、県産食材の加工品製造・販売を中心に事業を展開。また、直営店やECサイトの運営、化粧品・洗浄剤の受託製造なども手掛けています。独自の技術力を駆使した多品種製造と自然由来原料を用いた商品開発を強みとする同社。化粧品などの原料の一部であるユズやツバキを自社栽培しているほか、ヘチマ、ヨモギなどの原料は、山都町の提携農家と共に土壌づくりから取り組んでおり、熊本の自然を生かした高品質な商品を安定的に供給できる体制を構築しています。
近年、日本製化粧品は国際的に人気が上昇しており、国内外からの製造委託需要の高まりに対応するため、2019年に化粧品工場を増設して生産性を向上させました。また同社は、熱帯林の伐採などの問題解決に取り組むために世界自然保護基金(WWF)が設けた制度「RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)」の認証を受けています。この認証パーム油を使った石けん作りを進めると同時に、原料を段階的にパーム油以外に置き換えていく計画です。同社では、ものづくりに携わる企業の責任として、人と自然に優しい製品を作り、地球の恵みを次世代に伝え、世界の人々が幸せになることに貢献できる企業を目指しています。