「株式会社 共同」の前身である「共同運輸有限会社」は、天草を拠点とする海運業を営んでいた先代(創業者)が、牛や豚などの家畜運搬を行うため、1971年に設立しました。
同社の「家畜便」は、それまでどこも行わなかった家畜一頭からの運送を引き受けたことで、畜産農家の支持を得て成長。また、運輸事業の規制緩和によって業界に変革期が訪れた90年代には、いち早く“ものを運ぶだけ”の運送から“コストと品質”を重視した物流へと事業を進化させ、サービスと業務の幅を広げていきました。
95年には、他社に先駆けて冷凍・冷蔵・常温品を同時に運ぶ「多温度帯一括配送システム」と、複数の顧客の荷物を1台に積み合わせて運ぶ「共同配送システム」を構築。さらに、99年からは保管やピッキング機能を持つ物流センター事業を展開し、現在は松橋、合志、菊池の3つのセンターで、大手スーパーや食品メーカーなどの物流を担っています。2012年には農業団体からの要望を受け、食肉加工工場と物流機能を併せ持つ「熊本ミートセンター」を開設。肉用牛と区別され、加工処理を後回しにされていた経産牛や乳牛も同列に扱い、農家が大切に育てた家畜の命を消費者へと繋げる役割を担うとともに、農家の自家商品の加工や販売を支援し、6次産業化の後押しも行っています。15年には、同センターに隣接し、“お母さんが子どもに安心して食べさせられるものづくり”をコンセプトにしたレストラン「ママトコキッチン」をオープンさせ、さらに19年、食育、物販、ウエディングなどのイベントが催せる新施設「ママトコバトン」も開設。消費者に食の大切さや命への感謝を学んでもらう活動にも力を注いでいます。
同社の掲げる理念は、さまざまな個性を持つ人々が共に暮らす「共生社会」。育休取得率100%に加え、復帰後の時短勤務も導入。また、02年から障がい者雇用も始め、現在は雇用率15%を超えています。障がい者と健常者が共に働き、助けあう職場こそ、すべての人が働きやすい環境と考え、共生社会の実現を目指します。